スローイングのメカニズムと空間能力
ボールを投げる競技は、野球だけではありません。
しかし野球ほど、スローイングが難しい競技はありません。
アメリカンフットボールでもクウォーターバックがボールを投げますが、ターゲットであるレシーバーもボールに合わせて動きます。
ダーツゲームも野球によく喩えられますが、あれだけのパワーと精度をもって投げる野球、特に投手のピッチングはダーツよりはるかに難しいのです。
ボールがピッチャーの指先を離れるのは、ホームプレートから約17メートルの距離。
この距離から内角、外角(幅約22センチ)のいずれかを狙って、直径約8センチ弱のボールを投げ込むには、角度にして約0.5度という高い精度が求められます。
これに対し、ダーツゲームで真ん中のブルズアイ(直径約3センチ)にダーツを命中させるには、3.25度の精度でいいのです。
さらに外角コーナー、ストライクゾーンぎりぎりの球を投げるには、0.25度の誤差(約8センチ)しか許されません。
一方、ダーツボードの真ん中、半インチ(ーセンチ強)の赤い点(ダブル・ブルズアイ)に命中させるには、3分の1度弱の誤差が許されます。
ストライクゾーン低め(膝の高さ)のコーナーヘボールを投げ込むには、ダーツゲームでブルズアイに命中させるよリ高い精度が求められる。マシスによると、縦方向では野球のストライクゾーンの方が、大きな誤差が許されますが、しかしコントロールが悪ければ、打者に打ち込まれます。
コントロールだけではありません。
野球のピッチャーには速い球を投げることが求められるのです。