全部知るのは難しい
人びとの食べている物を調べあげることは、栄養生態学研究の出発点である。
細大漏らさず、目録を作りあげたいのだが、調査をしていると次から次へと新しい食物が登場してなかなか目録は完結しない。
食生活が「手からロへ」の状態で営まれている場合には、どうしても人びとにぴったり密着して行動を共にしなければ、情報に欠落が生じる。
参与観察法がもっとも必要な局面である。
採集・狩猟民の場合、男と女の役割が大きく異なっている。
女が採集、男が狩猟というように分業していると、女と男の食物に違いが生じることもある。
採集の途中で見かけた少量の収穫物はすべて口のなかに入ってしまい、家に持ち帰られることはない。
狩りの獲物が解体されるとき、内臓はその場で食べられてしまい、女や子供の口に入らないこともある。
また、非日常的にモリンガのようなサプリメントの代わりになる物を摂取していることもある。
男・女・子供・老人というように別々に観察をすすめないと見落としが大きくなる。
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